各種釉薬について

<無色(基礎釉)>

透明釉・・・透明な釉、光沢の釉薬すべての基準として使う事も多い。
志野釉・・・長石釉で乳白色、一般に厚く掛けるのでふんわりした淡雪のような感じの釉。
亜鉛結晶釉・・・亜鉛の多い釉は焼成条件にもよるが直径5cmほどのウイレマイト結晶を造る事ができる。(写真は銅で着色したもの)

<鉄系>

飴釉・・・茶色の透き通った感じの釉。
鉄砂釉・・・褐色の釉の中に金色の結晶がある。車の塗装で言うメタリック調の釉。
伊羅保釉・・・釉が熔けたときに寄っていらいらした感じの釉。
天目釉・・・中国は天目山で焼かれていた鉄系黒釉。
・油滴天目釉・・・鉄系黒色釉の中に油の点滴に似た斑点がある釉。
・曜変天目釉・・・油滴天目の斑点の部分にラスターがかかり七色に輝く釉。
鉄赤(柿)釉・・・天目に乳白剤を加えると柿色、またはもう少し華やかな赤釉となる。
蕎麦釉・・・褐色の釉面に黄色の結晶があり、蕎麦がらに似た釉。
鉄赤釉・・・鉄を多く含んだに乳濁剤が加わって赤色を出したもの。
瀬戸黒釉・・・鉄釉で、高温で窯から引き出して急冷して造った黒色の釉
黄瀬戸釉・・・古瀬戸窯で焼かれた淡黄の鉄釉
青磁釉・・・少量の鉄を含んだ釉を還元で焼成すると二価鉄により淡青色になる。

<銅系>

織部釉・・・古田織部と言う人名が釉薬名になった代表的な銅緑釉。
辰砂釉・・・銅釉を還元で焼き、血の赤色をした釉。
鈞窯釉・・・還元炎で銅と鉄の海鼠調紫色乳白釉。
トルコ青釉・・・アルカリの強い釉に銅を加えた緑味の青釉。

<コバルト系>

海鼠釉・・・青緑色の海鼠調の釉。
瑠璃釉・・・コバルトによる青みの強い釉。

<マンガン系>

ロッキン・・・イギリスのロッキンガムで作られた鉛釉にマンガンを加えた茶色の釉。
銀黒釉・・・マンガンを多く加えたマット釉。いぶし瓦の代わりに作られた黒味の銀色釉。

<色釉>

白マット釉・・・艶のない白釉。
黒マット釉・・・艶のない黒釉。
楽焼釉・・・鉛を使った低火度の釉。抹茶茶碗などに使用。
萩釉・・・ワラ(藁)灰を使って乳白させた釉。
ジルコン色釉・・・戦後、酸化錫に代わって安定なジルコンが乳白剤として使われています。(右写真)基礎釉にジルコン系の絵具を5-10%程度加えたものはその比率によって中間色を作るのが容易です。写真はPPY:プラセオジウム黄とPTB:トルコ青とPSP:鉄ピンクを三角形の頂点に混ぜたものです。

HOME