青磁釉について

還元炎で焼かれた薄青から薄緑色の光沢釉を青磁釉といいます。澄み渡った天晴のような青色、 翡翠(ひすい)のような緑色は古くから日本でも珍重されてきました。 釉中に少量(1−2%程度)含まれる鉄分が、還元されて酸化第一鉄となり、このような色となります。

釉薬の厚く掛かったところはより濃く深い青から緑色となり、素地に彫りを入れることによって色の濃淡を 活かすことが出来ます。還元の強弱によって色は変化し、酸化気味だと鉄は黄味の発色をします。鉄の量が 多すぎても褐色から黒ずんだ色となります。また、当然なことながら基礎の釉薬によって色は変化し、 一般に酸性成分が多いと青味が出て、塩基性成分が多いと緑味となります。
中国で発明され、完成された青磁釉は、唐代に開花し、宗代に完成してその絶頂期を迎えます。 龍泉寺窯で焼かれた青磁は広く海外に輸出され、日本ではその時代と色によって青味の砧手(きぬたで)、 緑味の天龍寺手、黄味の七官手(しちかんで)とおよそ3種類に分けられています。

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