やきもの散歩道ガイド

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1 常滑の概要
常滑へようこそお出でくださいました。これから歩いていただく「やきもの散歩道」は、 1972年頃に自然発生的に生まれたものです。焼き物のまちらしい雰囲気が残っており、 他の地域には見られない特徴的なまち並みをあじわっていただけるものと思います。
 散歩道を歩く前に、少しだけ常滑の概要についてご説明いたしたいと思います。常滑は、 12世紀の終わり頃にはすでに焼き物の産地として確立されていました。日本には、 常滑の他に、備前・信楽・丹波・瀬戸・越前といった古い焼き物の産地がありますが、 この6つの産地のことを「日本六古窯」と呼んでいます。
 中でも、常滑は最も古く、最大の規模であったと言われています。常滑は、海辺の地の利を 活かし、海運の力で日本全国に販路を広げていきました。日本の各地から古い時代の常滑焼きが 数多く出土しています。
 その当時の焼き物は「市立陶芸研究所」で見ることができます。今からおよそ900年も 前の焼き物ですが、ダイナミックな造りと自然釉の輝きは、まさに芸術的といえます。

 さて、900年という長い歴史と伝統を持つ常滑焼ですが、1800年代の後半には 「朱泥焼」が開発され、急須や湯飲みといった茶器を中心とした生産へと発展していきます。 その外、土管、鉢、甕などの生産で活況を呈し、1900年代になると、生産体制の確立や 窯の進歩によって量産体制に一層の弾みがつくことになります。
 現在では、タイル、便器といった建築用の陶磁器をはじめ、食器、花器置物から陶芸作家の 芸術作品にいたるまで、幅広い焼き物が造られています。窯業関連の年間工業出荷額は、 およそ1,000億円にものぼっています。

 それでは、これから「やきもの散歩道」へ進んでまいりたいと思いますが、これから歩いて いただくところは、1900年代のはじめから中頃にかけて窯業の中心地として栄えた所です。 土管、鉢、甕などの製品を中心に生産されていました。もちろん、現在でも稼動している 工場や作家の工房もありますが、最盛期に比べれば、その数は少なくなっています。
 見学に当たって、いくつかのお願いをいたします。散歩道の中の展示場や工場を見学するときは、 かならず声をかけてください。むやみに工場内や工房内の作品や製品に手を触れないでください。 展示場やギヤラリーの作品や製品は触ってもいいですが、両手で大事に鑑賞してください。

下の地図がやきもの散歩道Aコースです。地図上の番号の地点の説明が次のページにされています。
  それでは散歩道に進むことにしましょう。

やきもの散歩道Aコースへ

このホームページは常滑国際交流協会編集のとこなめやきもの散歩道ガイドをベースに作成しています。